2012年09月29日(土)
「凸凹(でこぼこ)つくって、絵を描こう」
まず凸凹をつくるための、合板(ごうばん)が目の前に置かれたね。正方形だったけれど、きみはどんなかたちにしたのかな。もちろん正方形のままでもいいし、星形でも、山形でも、だえん形でもよかったね。つくりたいと考えたものは みんなちがうから、それぞれの答えは ことなって当然だ。
かたちができたら今度は、紙ねんどで凸凹をつくっていったね。厚さとか凸凹のあり方とか、これも人それぞれ。描くものと一体となった凸凹が必要だね。たとえば、水ならどんな凸凹? 風なら? お花なら? と考えてつくりだすのはおもしろい。
紙はたいらだけれど、今日は描くところに影が生まれている。さあ、色をつけていくぞ、描いていくぞ。なんだかいつもとちがう感じ。筆がスムーズに運べない。白いところが残ってしまう。さあどうしよう、そのままでいいのか考えたよね。
そんな想いが作品に つたわって、とってもすてきな世界があらわれた。けれども、まだ…そうなんだ。これからも つくり続けていくことが大切なんだよ、疑問をもって。
なかなか作業にかかれない子がたくさんいました。考えています。悩んでいます。それはとっても大切な時間でしょう。答えがひとつ生まれます。けれどもすぐに自分で否定してしまいます。ゆっくりと作業に入る子、その時ある子はかなり進んでしまいます。それを見て羨ましそうにしています。子どもの時間はさまざまで、ひとりひとりの時間の流れの早さは違うということですね。
基盤=支持体の形を考えること、これは全体の構想に関わる大切なことです。そして紙粘土で凸凹をつくります。これも考えれば考えるほど難しい。それでも勇気を振り絞って粘土にふれ、ちぎって、板の上に置いていきます。試行錯誤を繰り返し、形を整えていきます。2次元から3次元への移行を身体が感じ、認識していきます。そして絵の具を塗ります。みんな不安から徐々に解放されて、自信を持った顔になって、笑みがこぼれます。自分の作品を見て、お友だちの作品を見て、楽しい顔のみんながいた、そんな講座でした。
講師: | 海老塚耕一(美術家、本学教授) |
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場所: | 多摩美術大学上野毛キャンパス |
対象: | 小学1〜6年生 |
人数: | 23名 |