2012年07月28日(土)
「きみがつくるバナナの布って、どんなもの?」
布のもとになる「せんい」は、バナナの茎(くき)にかくれていたね。茎からは想像(そうぞう)できないような つやつやとした「せんい」は、フワフワになったかと思ったらぺたんとつぶれて布に変わっていったね。
もののもとになる「素材(そざい)」はいろんな顔を見せるよ。それにどんなものにも、もとになる「素材」があるんだよ。きみのまわりのいろんなもの、何でできているのかな。考えてみるのもおもしろいね。
今回は色のついた「せんい」をまぜたり、ちぎったり、はさみで切ったりしてみたね。そのうち、だんだん「せんい」となかよくなって、きみだけのバナナの布ができあがったんじゃないかな。
普段身の回りにありふれた布も、その原料にふれることはなかなかありません。また美術作品を前にして、その素材のはじまりを思い浮かべることも少ないかもしれません。
今回の講座では、バナナの偽茎と呼ばれる通常廃棄される部分から繊維を取り出し、その後バナナの繊維を使って大きな布をつくりました。「植物から繊維がとれた」ことの体験が、これから出会うさまざまなものの見方を広げていってくれるのではないかと思います。
子どもたちは、大きなフワフワとした画面に、少し戸惑った様子も見られました。いつも描いている絵とは少し違ったものが出来上がったかもしれません。それは素材が子どもたちの手や目を通して語りかけ、子どもたちがそれを受け取って生まれた表現とも言えるのではないでしょうか。
講師: | 妹尾めぐみ(テキスタイルデザイナー、本学助手)、 高野紘子(テキスタイルデザイナー、本学助手) |
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協力: | 本学バナナ・テキスタイル・プロジェクト |
場所: | 多摩美術大学八王子キャンパス |
対象: | 小学1〜6年生 |
人数: | 30名 |