2012年7月14日(土)
「こんなものが、なぜ芸術なんだろう」
ものをつくるって、手を動かすことから はじまるね。考えて手を動かしたとき、何かが生まれる。かたちが変わってくるとき、きみの想(おも)いが、かたちのなかに こめられていくんだね。けれどもそれほど簡単にはいかない。いく度も失敗を くりかえしながら、かたちが生まれてきたね。
今回は家にあるいろんなものを利用した作品をつくった。牛乳のパックやペットボトル、紙や布、ダンボールや発泡スチロール、いろいろなものがみんな作品になっていった。ものは、きみたちがやさしく接(せっ)していくと、みんな なかよしになって、集まって、ひとつの作品になったね。それをおぼえておいてほしいな。
子どもたちは実にさまざまなものを持ってくる。それは現代の社会を象徴しているものの群れである。それらを使用して、ある子どもは都市をつくり、ある子どもは車をつくる。けれども、何だかわけのわからないもの、子どもにとって「きれい」と思わず言葉が出てきてしまうようなものをつくる子もかなりいる。色を塗って楽しむ子もいれば、布やさまざまなものを貼って作品にする子もいる。箱のなかに紙の切れ端を入れて封をし、その音を楽しむといったデュシャンのような子もいる。実に千差万別。楽しい作品群である。
講師: | 海老塚耕一(美術家、本学教授) |
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場所: | 多摩美術大学上野毛キャンパス |
対象: | 小学1〜6年生 |
人数: | 25名 |