講座レポート

こども講座「宅配便あそびじゅつ―考える箱」
海老塚耕一さん

【2020年7月下旬 発送/
「先生とおはなし会」8月7~20日 全4日程】

あそびじゅつ」は、小中学生を対象に、休日や夏休みなどを利用し開催している生涯学習プログラムのひとつです。毎回いろいろなテーマや素材と出会い、作品をつくることだけでなく、見ること、感じ、考えることの循環を通して、あそびながら美術にふれ、世界のひろがりや素敵なあり方が感じられる、そんな講座です。

例年は会場で開催している「あそびじゅつ」ですが、新型感染症の拡大により外出が思うようにできなくなった今年の夏休み。制限の多い社会状況でも、自由でひろがりのある創造の場を楽しんでもらいたい。その想いから今回生まれたのが、ご自宅で楽しめる「宅配便あそびじゅつ」という新たな形式です。

この夏の「宅配便あそびじゅつ」は3つのテーマ。
『100色つくって、カードにぬって、色の世界とあそんでみよう』『おもしろい!画面が飛び出す絵本をつくろう』『おうちのかたちの木に色をぬって、街をつくろう』のなかから、好きなテーマを選べるようにしました。

夏休みが始まるころに、つくるためのヒントと主な材料が入った箱=「考える箱」が参加者の自宅に届き、それぞれのタイミングで制作がスタートします。自ら考え、他に必要な材料を身の回りから探し出しながら、自分のペースでつくり続けることができます。

箱が到着してしばらく経った8月半ばには、オンライン(Zoom)で講師と参加者が対話しながら制作を行う「先生とおはなし会」を開催しました。制作中の作品を披露し合い、工夫を共有したり、講師からヒントをもらったりしながら、オンラインでつながっている間も各自制作の手を動かし続けます。みんなで一緒につくりながら、見ること・考えることの楽しみを発見する ひとときは、会場で行う「あそびじゅつ」と変わらない、同様の楽しさがありました。

作品の完成後には、オンライン上に作品写真を展示する「インターネット展覧会」を実施。お互いの作品や発想に刺激を受けて、さらに考えて制作を続けているという参加者からのご報告もいただきました。

制限のある社会状況を乗り越える新たな試みでしたが、全国各地のこどもたちの参加もあり、場所と時間にとらわれない、可能性のひろがる講座となりました。

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