講座レポート

素材や道具をつくる―表現の始まりを感じる
「筆をつくる―"自在に描く"を可能にするための道具」
阿部悠季さん

【2020年1月17日(金)】

制作に必要不可欠で、表現のはじまりである「道具や素材」。今では画材店で購入することが普通になってしまったそれらを、自らの手でつくってみることで、何が見えてくるのでしょう――そのような疑問からこのシリーズは生まれました。

「油絵具」「銅版画の道具とインク」と続いた第3回目の今回は、清晨堂の筆職人でいらっしゃる阿部悠季さんを講師にお招きし、「筆」をつくっていきます。
職人の視点からのお話と制作を通して、改めて筆について考え、1本1本の筆の繊細な違いに気づきます。毛の種類、質、長さなど、使い方や表現に合わせて原材料が選定され、形が定められていることがよく分かります。

当たり前に使っている道具がどうして自由自在に使えるのか、自分の手でつくる工程のなかで、自然とその先にある「表現」にも意識が向かっていったようです。
手間暇かけてつくりあげた自作の筆で描く世界に想像を膨らませ、嬉しそうに帰路につく皆さんの姿が印象的でした。

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