講座レポート

「本をつくる(プライベートプレス)―デザインし、手にする」
加藤勝也さん

【2019年10月8日~2020年1月7日(火)全5回】

私たちの生活には欠かせない存在である「本」。小説・自伝・写真集・コミック・指南書など、そこには読む人のニーズに合わせた数多くのかたちが存在します。それをつくるには、グラフィックデザインの基本となる色彩・形体・構成などの視覚的要素の理解から、編集・レイアウト・製本等の制作工程が必要となります。今回の講座では、世界にひとつの本をつくることを目的に、その仕組みの理解から実際の製本作業に至るまでの一連の「本のデザイン」に挑戦しました。

まずは講師による製本法の説明や、製本に使用される特殊な道具、さまざまな種類の綴じ方などについてレクチャーが行われました。普段何気なく手にする本ですが、それぞれが用途に合わせた製本や、理にかなったデザインが施されていることに気付かされます。

さて、製本の仕組みを理解したら、いよいよ構想を練っていきます。皆さんのテーマは、登山の体験記、自分の作品を集めた図録、お好きな美術作品について解説するものなど多種多様でした。それぞれの内容に合わせた構成や、刷る紙の種類、サイズ、綴じ方などを講師と相談しながら、真剣に、黙々と作業を進められていました。

最終日には、お互いの本のコンセプトや、こだわった点などについて発表をし合いました。中にはページごとに紙の種類を変えるといった作品も。今回の講座で、プライベートプレスならではの魅力を大いに感じていただけたのではないでしょうか。

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