講座レポート

「芸術としてのメディア―多様なメディア芸術の様相」 久保田晃弘さん、ゲスト講師:畠中実さん

【2018年10月25日~2019年1月10日(木) 全4回】

近年、インターネットの普及やメディア技術の発展と共に大きく変化してきた「メディアアート」。みなさんも一度はどこかで、耳にしたことがあるのではないでしょうか。

今回の講座では、「2007年以前」「2008年~2017年」「2018年以降」の3つの年代に分けて、メディアアートの歴史を考えていきます。メディアアートがどのような芸術なのか、現代美術や広範囲な表現へと広がっていく流れを、映像を見ながら探っていきました。

講座の終盤には、YCAM(※1)と多摩美術大学の共同研究による三上晴子氏の作品《Eye-Tracking Informatics Version 1.1》を体験。この作品は、鑑賞者の視線の動きを機械で読み取り、それを元にした動的構造物をスクリーンに映し出すというものです。みなさんはこの作品を通して、自分の「視線」が生み出した空間を体験することで、メディアアートをより身近なものに感じられたようでした。

また、ICC(※2)主席学芸員で、メディアートに関する展覧会を多く企画されている畠中実さんをゲストにお迎えした対談も行われました。現代の美術にとってメディアは必要不可欠な存在になりつつあるということや、ゲームやアニメーションを利用したメディアアートが新たな美術のジャンルとして広がりつつあるといったことなど、さまざまなお話を聞くことができました。
 
今回の講座を通して、最先端のアートの動向を知り、メディアアートを楽しむきっかけを見つけていただけていたら、と思います。

※1 YCAM...山口情報芸術センター
※2 ICC...NTTインターコミュニケーション・センター

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