【2018年5月8日~8月28日(火) 全4回】
絵を描くことを考えるとき、絵具を塗り重ねていく「重ね塗り」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
今回は、講師に本学絵画学科日本画教授の宮いつきさんをお迎えして、重ね塗りとは反対に"絵具を洗い落とす"ことで描く「洗い出し」という方法に挑戦し、制作を行いました。
「洗い出し」とは、下地の絵具を塗って乾いた後に、水分を含ませた筆で洗い落とすことで効果を出す、水性だからこそできる描き方です。
そこから生まれる表情は、下地に使用する岩絵具の粒子の大きさや色によっても異なってきます。紙の地色が浮かび上がり繊細な階調が生まれたり、絵具の粒子がうっすらと残って色味や画肌が変わったり。絵具を塗り重ねて描くだけでは見えない、水性画材ならではの表現のひろがりに驚きます。
受講生の皆さんは、 "引き算"で描いていく体験を少しずつ試し、そこに生まれる表情をどのように自身の作品の中に取り入れ、組み合わせていこうかと考えながら、水性画材の特性と真剣に向き合っているようでした。