講座レポート

「浮世絵から現代木版」
古谷博子さん

【2014年12月13日(土)】

創造の現場であるキャンパス内のさまざまなアトリエを探訪するシリーズ講座「アトリエのにおい」、第3回は版画工房での1日となりました。

午前中は木版を含む版画の長い歴史と、江戸時代に発展した浮世絵版画の制作方法について、実際に彫られた「版木」にふれながら話を聞きました。昔の職人たちの繊細な仕事に感嘆の声が挙がりました。

午後は教室の見学です。大きなローラーのついたプレス機、刷毛や絵具などの道具を見ました。また、学生にどんな技法やテーマで制作しているのか聞きながら、作品を見せてもらいました。木版画だけでなく銅版画の教室も見学し、さまざまな表現を楽しみました。

次に、明治時代に彫られた浮世絵の版木で実際に刷ってみました。まず、輪郭の黒い線を刷るのですが、一色だけでもなかなかうまく刷れません。しかし、刷り重ねていくうちに、色の重なりの面白さや力の強弱で変わる濃淡の違いなどが見え、皆さん、熱心に刷っていました。

昔から受け継がれてきた技術や工夫を大事にしながらも新しい可能性を追求するアトリエ。版画の魅力をじっくりと感じとっていただけたのではないでしょうか。

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