【2014年11月20日、27日(木)】
本講座では、江戸期に流行した観光案内書である『江戸名所図会』を片手に、当時の名所を散策します。今回は根津、谷中、西日暮里エリアへと足を運びました。
この日は天候にも恵まれ、気持ちのよい散策日和でした。俗に「谷中八丁に九十八ヶ寺」と言われた谷中界隈ですが、今でも多くの寺社が残っており、『江戸名所図会』に描かれた風景のなかへ入っていくことができます。途中立ち寄った延命院では椎の老樹を、谷中天王寺では大仏を見て、江戸観光の気分を味わいました。
最後に見学した根津神社では、宝永3(1706)年に完成し、現在では国の重要文化財に指定されている本殿や、透塀、楼門などを見て、『江戸名所図会』と照らし合わせて楽しみました。
『江戸名所図会』に描かれたイメージが目の前の景色と重なり、時の流れや町並みの変化を感じながら、悠々とした散策を楽しむことができました。江戸期の「名所」の豊かさにも驚かされ、見慣れた町の風景のなかに、新鮮な発見があったのではないでしょうか。