講座レポート

「自分にとっての究極の椅子を探す」
富樫克彦さん

【2014年10月18日(土)】

この秋から始まった、シリーズ講座「アトリエのにおい」。大学のキャンパス内にあるアトリエを見学し、作品が生みだされる現場の雰囲気・空間を丸ごと体験していただく講座です。
第1回は、インテリアデザイナーで環境デザイン学科教授の富樫克彦さんとともに、各自が考える「究極の椅子」を探っていきました。

まずは、本学の図書館(建築:伊東豊雄氏)に行き、個性的な建物にあわせてつくられた椅子を見ながら、椅子と空間の関係を探ることからアプローチしました。
続いて、環境デザイン学科3年生のダイニングチェアを制作している工房を訪ねます。材料の木材を図面に沿って加工して組み立てている学生たちの話からは、イメージしたものをかたちにしていくことの大変さと面白さが直に感じられたようです。

さらに、名作と言われる椅子に実際に座って、座り心地や素材の違いを確かめてみます。名作椅子それぞれのデザインの特徴や技法などについて講義を受け、かたちと機能性がどう結びついているのかを体感しました。
最後に演習として、自分が求めている究極の椅子をデザインして、どのような場所に置きたいか、デザインのこだわりはどこかを講師と話し合いながら、自分の椅子に対する思いを深めていきました。

さまざまな思いや視点が集約されてひとつのかたちになる―1日の体験を通して、デザインすることの本質を感じていただけたのはないでしょうか。

Photo
Photo
Photo