2012年度 春期講座

講座番号
1125

小さな絵本をつくる―携帯できる私だけの美術館

手のひらに乗る小さな本をつくってみませんか。絵や文字が小さくなると、本に対する印象ががらりと変わり、新しい発見と不思議な愛着が生まれてきます。写真、イラストレーション、コラージュなどあなたの作品を素材に製本すれば、持ち運びのできる小さな美術館の完成です。

講座内容

第1~5回 講義―絵本について、いろいろな製本の方法/内容を考え、原稿作品を制作/割り付け/作品に合う方法で製本

開講日 2012年5月15日~6月26日の火曜日(5月22日、6月5日除く) 全5回
時間 14時00分~16時00分
場所 上野毛キャンパス
受講料 2万2000円(材料費別途6000円)
定員 15名
申し込み締切 4月23日必着
講師 大塚つとむ[美術家。写真画像を透明ガラスに鏡面プリントした多層的な作品を制作]

コラム 「『本』という作品―見る悦びとつくる愉しみ」

11sp07_artbook.jpg画集を見ることは楽しい。なぜなら、世界各国、日本各地の美術館を巡らなくても、名だたる美術品が一堂に会し、一冊の本のなかに綴じられているのですから。

もちろん、実物を見る感動はひとしおですが、画集のよさは、どんな大きな作品もどんな小さな作品も本の大きさに合わせて印刷されることで、大きな作品は、縮小されて初めて全体像が見えてきたり、小さな作品は、細部の精緻な細工などを改めて堪能できたりします。

さらに、一冊の本のなかに入れ込まれたさまざまな作品は、それぞれが有機的につながって、ひとつの美術館をつくってくれます。美術家の作品集、展覧会のカタログ、絵本...、それらの本に魅力を感じるのは、一冊にまとめた人の眼を通して、本そのものがもうひとつの作品ともなるからではないでしょうか。

あなたのお気に入りの絵や写真を選んで、本に綴じてみませんか。本を開けば、いつでもあなただけの美術館が待っています。

 (文・石井久美子〈事務局〉)

写真=小さな本から、美術の世界が無限に広がる