2012年度 秋冬期講座

講座番号
3123

絵画のきほん―絵画の下地づくりから表現まで

表現することは楽しい。けれどもその楽しさを支える物と事をきちんと手にしなければ、自らの内に広がる愉は生まれません。人間の営みのなかで絵画は、きっと、もっとも古い表現のひとつでしょう。さあ、表現の多様性を感じながら、絵画の世界を歩んでいきましょう。

講座内容

第1・2回 講義「絵画の魅力、遠近法が作った眼差し」(海老塚耕一)

第3~6回 基底材について」(渡辺達正)
講義―下地と絵具の関係、さまざまな素材(麻布、紙、金属他)の下地/4種の下地づくり

第7回 「作品を見て、考える —東京国立近代美術館」(海老塚耕一)

第8~12回 「絵具の使い方」(田中康夫)
講義―絵具の科学、色彩とは、画材について/構図、遠近感/好きなモチーフで試し制作

第13~18回 「絵画の表現」(小林裕児)
講義―見ることと見えること/構想の源泉、実演/エスキース、好きなモチーフで本制作

開講日 2012年9月11日~10月16日の火曜日、10月26日(金)、11月6日~2013年2月19日の火曜日(12月11日~1月8日除く) 全18回
時間 10時00分~12時30分
(第1・2回は9時30分~11時00分、第7回は13時30分~15時30分)
場所 上野毛キャンパス、第7回のみ東京国立近代美術館(現地集合・現地解散)
受講料 7万2000円(材料費別途1万4000円) ※第7回の交通費・入館料は各自お支払いいただきます。
定員 25名
申し込み締切 8月21日必着
講師 海老塚耕一[美術家、本学教授。素敵なあそびとしての美術の楽しさを、制作と理論から探る]
小林裕児[画家、本学教授。絵画本来の持つ物語性に魅かれ、さまざまな表現を試みる]
田中康夫[画家、本学教授。ミクストメディアによる表現を用い、深層構造の可能性を探る]
渡辺達正[版画家、本学教授。銅版画の幅広い技法を指導し、自身もさまざまな技法で制作]

講座レポート 「絵画のきほん」

 

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美術館で出会う絵画の傍らにあるキャプションには、作品タイトル、作家名、制作年の他に「キャンバス、アクリル」といった、その作品で使用されている素材も併せて記載されていることがあります。絵を描くとき、何を描くかといった表現の探求だけでなく、表現を支える支持体(画材・絵具)を研究しそれらを駆使しなければ、今日における絵画の多様な表現を見ることはなかったでしょう。

 

「絵画のきほん」講座では、古くて新しい絵画の世界を、全18回で横断していきます。今回は絵画を見て考え、絵画表現を支える基底材や下地づくり、絵具の使い方などを、講義と演習から解きほぐします。その上で、それぞれの表現の源泉を考え、あなたらしい絵画表現を見つけ出してみませんか。