株式会社ロボット

短編アニメーションで米国アカデミー賞
受賞ほか、映画やテレビCM制作でも活躍

年間150本を越えるTVCMや、これまでに90本を越える劇場映画などの制作をはじめ、ドラマ、アニメーション、グラフィックやキャラクターデザイン、Webサイトやモバイルなど、幅広い領域でのコンテンツ開発を行う。
https://www.robot.co.jp/
取材日:2019.02.08、2019.04.18

経営企画本部
副本部長
石毛 達也さん

「伝えること」の大切さを
クリエイティブに生かす

ロボットと多摩美との関係は深く、アニメーション作家で多摩美のグラフィックデザイン学科教授でもある野村辰寿氏、現在は独立しましたが『つみきのいえ』で、第81回アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した卒業生の加藤久仁生氏をはじめ、13名の卒業生がいます(2019年5月現在)。クリエイティブ部門ではインテグレーテッド・デザイン部は、美大のなかでも多摩美出身者の比率が非常に高く、またデザイナー職だけでなく、ディレクターやプランナーとして多くの卒業生が活躍しています。

「伝えたい」という思いが表現の幅を広げる

採用において学歴や経験は一切不問としているように、当社が重視するのは、しっかりとしたものづくりへの思いです。将来への具体的な夢を持ち、それに向かってどんな経験を積むべきかを考え、さらにその思いを相手に伝えられる人を求めています。当社はメジャーな映画を数多く手掛けているため、興味を持ってくれる方は大勢います。ですが、この「思い」の部分には明確な差が表れるもので、多摩美の卒業生は相手に何かを伝えたいという「思い」が強い印象がありますね。例えば、多摩美の映像演劇学科(現在募集停止)の卒業生のディレクターがいます。彼は、ロボットが制作した映画を観てロボットを知り、映画・映像での活躍を夢見て多摩美に入学しました。そして入社後の現在は様々な分野でクリエイティブに関わっており、ディレクターとして次々と映像表現の幅を広げています。その道を目指すきっかけは映画でしたが、映像で表現できること、伝えたいことを追求した結果、自分なりの道を切り開いた好事例だと思います。

大きな目標を持ち、広い視野で目標に向かって努力できる人

現在、働き方改革でクリエイティビティと効率化とのバランスが大きな課題となっています。そんな時代だからこそ、クリエイティブだけではなく世相を捉え俯瞰でも物事を見る目が必要で、一歩先を読む力が求められます。ロボットには、勤続三年以上の社員が新しいキャリアにチャレンジするために、他部門への異動希望を出すことができる「キャリアチャレンジ制度」があるなど、ものづくりを支える土台ができています。自分の目標のためにここで何かを成し遂げようという人は、たとえロボットを卒業しても、同じ業界で共に良いものづくりを追求していける。私たちは、そんな仲間を求めています。

ⓒA.M.P.A.S 加藤久仁生さんが『つみきのいえ』でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した時のトロフィー(左)
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キャラクター・アニメーション部
アニメーション・ディレクター
加賀 遼也さん
2016年|グラフィックデザイン卒

加賀さんの卒業制作『oldman youngman』は、「タマグラアニメーションシアター」で視聴することができます。
https://www.tamabi.ac.jp/tamagraanime/

1年目でNHK「みんなのうた」
Superflyの曲『Gifts』の
アニメーションを担当

アニメーションを中心に、Webやテレビ広告、子供向け番組などの制作に携わっています。その関わり方もさまざまで、制作だけでなくディレクターや演出部分など、案件によって立場も違います。

入社1年目の2018年の夏に、NHK「みんなのうた」でSuperflyの曲『Gifts』を担当したことが、一番大きな仕事です。クライアントであるNHK様の希望を理解し、曲を解釈してイメージを作るところから始まり、約3ヵ月かけて4分間の作品を仕上げました。

撮影台や録音スタジオなどの設備を自由に使えた学生時代

絵が好きだという理由で多摩美に進学しましたが、当時はデザインやファインアートなど、その区別すらわかっていませんでした。だからこそ、さまざまなジャンルを幅広く学べる多摩美の授業は私には好都合でした。そこで出会ったのがアニメーションです。絵も音楽も絵もストーリーも作れるし、興味ある要素がギュッと詰まっていて「これだ」と思ったのです。卒業制作では1年かけて約10分間の作品を作りましたが、コマ撮りをするための撮影台や録音スタジオなど、学内設備を自由に使って制作できたことが大きかったです。ほかにも大判プリンターなど、今思えば設備の充実はありがたかったですね。このときの作品、『oldman youngman』は、第20回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦を頂きました。

学生時代にいろいろ経験するなかで特に学んだことは、自分が作ったものを説明できなければ意味がないということです。講評会に限らず、先生方には何度も説明を求められました。他人に伝えることを意識するその考え方は、そのまま映像の仕事につながっています。

経験を作品の幅に生かすほうが、夢への近道になる

私は、アニメーションだけにこだわっているわけではありません。映像といえば実写もあればゲームもあるように、媒体によって表現は異なります。幸い、ロボットは表現手法において横断できる会社なので、今後はどんどんいろんな方向にチャレンジしていきたいと考えています。

アニメーション作家を目指すとき、即戦力となる技術を学ぶ道もありますが、リアルな表現力を鍛えたり、物事を観察する時間を持ったりすることで作品の幅に生かすほうが、夢への近道になることもあると思います。ぜひ、「アニメーションのためにアニメーションを学ぶ」のではなく、いろんな体験をしてほしいですね。大学とは技術習得をするだけではなく、考え方を学び経験を積む場だと思います。そこに早めに気付いたほうが、有意義な学生生活を過ごせると思います。

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加賀さんがアニメーションを担当した、みんなのうた『Gifts』(初回放送2018年8~9月)。
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コミュニケーションクリエイティブ部
CMプランナー
山田 裕之介さん
2017年|グラフィックデザイン卒

作画の技法や演出方法はもちろん
「人に伝えること」の大切さが
テレビCMの企画に生きる

私はCMプランナーとして、テレビCMの企画をしています。視聴者に商品の魅力を伝えるために「誰に、どんなストーリーで、どう話せば伝わるか」と、ストーリー全体の企画や設定を考えることが仕事です。自分の考えたセリフやストーリーがテレビで流れたときは、やっぱり嬉しいです。自分が手掛けたものが社会に影響を与えることを考えると、非常に刺激的で夢中になれます。

自分の武器は絵が描けることだとわかった

多摩美時代から考えることが好きで、「俺はアイデアで勝負する!」と広告業界を目指しました。総合大学出身者も多いこの業界に入って、自分の武器は絵が描けること、つまりイメージから企画できることが周りとの違いだとわかりました。これはどんな仕事にもいえることで、イメージや絵作りに少しでも関わる仕事なら、この武器はとても有意義だと感じています。

私は3年生でアニメーションコースを選択し、作画の技法や演出方法、セリフの考え方、そして「人に伝えること」の大切さや難しさを学びました。これこそが、企業の課題に応え商品の魅力を伝えることを目的とするCMの仕事ではとても重要なのです。現在も、多摩美で学んだ「人に伝えること」の大切さを意識して、日々CMを作っています。

自分の好きなことを理解してくれる友達や先生がいた

私は、ある多摩美出身のお笑い芸人に憧れ、ここに来れば何か面白いことができそうだと思い受験しました。多摩美には、個性を尊重する空気が流れていて、自分の好きなことや信じていることを、理解してくれる友達や先生方がいました。自分の個性を尖らせ、こだわりにとことん向き合える。そんな環境だからこそ、さまざまな分野で活躍する大勢の卒業生を輩出しているのだと思います。

CMの仕事において必要なことはいろいろありますが、結局は「あいつを笑わせたい」という気持ちが大切だと思います。目の前の人を喜ばせられる人こそ、世の中の人を喜ばせることができます。頭でっかちにならずに、毎日友達と一緒に笑い合ってください。それがこの業界を目指すとき、きっと何かの基礎になると思います。

※掲載者の所属などは記事公開時のものです。