ヤフー株式会社

デザインの力を生かし、プロダクト開発
から研究開発まで支える貴重な存在

月間714億PVのアクセスを誇る「Yahoo! JAPAN」を運営。「インターネット上の広告事業」、世の中のニーズを捉えたサービスとともに進化する「eコマース事業」や「会員サービス事業」などを展開する。
https://www.yahoo.co.jp/
取材日:2018.05.23

CTO室
テクノロジーインテリジェンス

部長

太田 浩史さん

テクノロジー組織の中で、思考を
可視化できるデザイナーは、スピード感を
もって影響を生み出せる存在

ヤフーの事業は大きく分けて、ヤフートップページ、検索、ニュースなどのメディア事業と、Yahoo!ショッピング、ヤフオク!、決済などのコマース事業の二つから成り立っています。多様な領域が含まれるので、環境変化を適切に理解することが重要です。私たちの部署はテクノロジー観点からさまざまな調査を行い、リスク対応やイノベーションの創出を目指しています。

発想と可視化の組み合わせが協力や共感を生む

社内で多摩美出身のデザイナーとも多く関わっていますが、コミュニケーション力があり、ロジカルに説明ができている印象です。課題解決に向けた思考の鍛錬ができているのでしょうか。自分のキャリアを通じて追及したいテーマが明確で、その自発的な行動に一貫性があるので頼もしく感じます。デザイナーは、コンセプトを可視化できるのが大きな強みですね。コンセプトやその裏にある思考を周りに伝えるために、デザイナーのビジュアライズ(可視化)する力を借りることは多いです。鈴木さんや瀧さんは課題を見つけて解決策を発想して提示していますが、その過程や成果を伝わりやすく可視化する力があるので、周囲の協力を得たり、成果が理解されて共感されたりすることに役立っていると思います。我々のテクノロジーグループには技術者や研究者などさまざまな人がいますが、そのなかにデザイン能力を持った人がいるということは、スピード感をもって組織全体への影響を生み出せる点においても意味があるのです。

ロジカルな思考を可視化できる人はどこでも活躍できる

仕事とは、すぐに結果がでるものではありません。成功に導くには、日々積み上げていく課程のなかで、周りの共感を得ながら協力を得ていくことが必須です。ロジカルで一貫した考えがあり、それを可視化して説明しながら周りを巻き込んでいける人は、会社のどの部署でも、またどの業界においても活躍することができる機会があると思います。ぜひ、そんな仲間と一緒に刺激し合って仕事をしていきたいですね。

テクノロジーグループ CTO室
テクノロジーインテリジェンス
デザイナー
鈴木 健司さん
2006年|大学院情報デザイン修了

プロダクトの開発にはデザインと
プログラム技術、両方の理解が重要。
多摩美にはそれをサポートする環境がある

最新のIT動向を調査報告する部署に所属し、ヒューマンコンピュータインタラクション領域担当として、最新インタラクション研究の調査や先進ユーザインターフェースの研究開発を行っています。

インタラクティブな放送番組を研究した大学院時代

高校時代はCGや映像表現に興味があり、幅広く学びたくて多摩美に入学しました。授業の課題はもちろん、演劇部活動などあらゆる表現を追求するなかで、「時代の進歩に自分の表現が全然追いついていない。テクノロジーをちゃんと理解し、表現を広げたい。」と感じるようになりました。そして表現の“道具”として扱えるよう、プログラミングの習得に取り組み始めました。大学院では現在のライブ動画配信アプリのような、配信者と視聴者が交流することで構築される放送番組のデザインとシステムの実装を行いました。ここで、自分のテーマを見出し研究する楽しさを知ったことが今につながっています。

プログラムの習得がインタラクションデザインの幅を広げた

いまプロダクトの開発において、デザインと技術、両方の理解が求められ始めています。実際に、両者が高度に融合したサービスが多く登場しています。もし、インタラクションデザインをやる上で「もっと発想を広げたい」と感じている人がいたら、ぜひプログラムの習得をお勧めしたいですね。きっと世界が広がるでしょう。一人で最新テクノロジーやIT技術を習得するのは難しいですが、多摩美にはサポートしてくれる人や十分な設備が整っていたので、私はこの両方を広く深く学ぶことができました。振り返ってみると、自分に何が必要かに気付けたことが大事なポイントだったと思います。学生時代のあらゆる経験が、就職後に大いに生かされています。

『Fix and Slide: Caret Navigation with Movable Background』。先進UI研究業務として、タッチインタフェースのテキストカーソル操作の新手法を提案。国際学会に採択され、UIST2015にてBest Poster Awardを受賞した。
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テクノロジーグループ システム統括本部
技術支援本部
UXデザイナー

瀧 知惠美さん
2009年|情報デザイン卒

毎年、多数の卒業生が入社。
UXデザインのサポートや
教育を担う

ヤフー内のさまざまなチームでUXデザインのサポートをするほか、UX デザイナーの育成を行っています。その一方、多摩美で企画から実装まで実践的なWebデザインの授業を担当しています(※取材当時)。
UXデザインとは、ユーザーにとってより良い体験を生み出すためにサービスのあり方から考える部分を担っており、単に画面を作るというのではなく、設計やプロジェクトの企画部分にも関わる仕事です。特に最近はデザイナーやプランナーといった垣根がなくなっていて、デザイナーが企画から携わる機会が増えてきました。多摩美からヤフーには毎年5~6人と多くの卒業生が入社していますが、多摩美の情報デザインは、考え方やプロセスを重視する部分が強みだと感じています。

センター試験で情報デザイン学科を受験し入学

私は高校時代から情報技術といった新しいことに興味があり、数学も嫌いではなかったのでセンター試験で情報デザインを受験しました。情報分野を学べる学科は他の大学にもありますが、「情報」+「デザイン」という分野を初めて知って、新しい可能性を感じたのです。卒業して自身が得たことを客観的に振り返ってみると、自分で試行錯誤しながら進めて行く過程や、手法にとらわれず、自分なりの思考を重ねてゼロから新しいものを生み出す力は、多摩美ならではの学びとして私の糧となっていると感じます。

ユーザー体験を考えられるデザイナーが求められる

UXは、これから特に求められる分野。ビジネスとしての継続性を考えたときに、ユーザーのニーズや価値観を考慮することが重要だと世の中が感じ始めています。ただモノが作れるだけではなく、モノを使うユーザーとそのユーザーの生活、サービス全体のあり方までデザイナーが関わる機会が増えてきているので、やりがいは大きいです。
学生時代は、取り組んでいる課題の意味が分からず疑問に思うこともありました。でも、やってみて気付いたことや、就職後ずっと後になって分かったことが多々あります。また、いいものはいいチームからしか生まれないように、多くのグループワークを積んだ経験も今に生きています。もし将来に不安を感じている人がいたら、自分が興味のあることを突き詰め、今しかできないことにしっかり取り組んでほしいと伝えたいです。必ず道はつながります。

※掲載者の所属などは記事公開時のものです。