共同通信社

社会との接点を意識したカリキュラムが
デザイナーに必要な対応力に生きている

「正確公平な内外ニュースその他の情報を提供し、公平な世論の形成と社会の健全な発展、国際相互理解の増進に寄与すること」を目的に、国内外のニュースを取材、編集して全国の加盟新聞社、放送局、海外メディアに配信する総合国際通信社。
http://www.kyodonews.jp/
取材日:2018.5.28

ビジュアル報道局
グラフィックス部
部長
八代 到さん

制約の中でいかに見せるかが、
グラフィック記者の
力量の見せどころ

共同通信社は他の新聞社とは異なり、全国の加盟社にニュースを配信する、いわばニュースの問屋さん。新聞、放送局、ネット、電車内デジタルサイネージなど、あらゆるメディアにいち早くニュースを配信することが仕事です。また、一つのニュースを、例えば新聞なら内容を掘り下げるし、デジタルなら1秒でも早くと、同じニュースをメディアによっていかに展開させるかが私たちの課題です。また、多様なメディアに配信するため、フォントひとつにしても制約が多いのが当社グラフィックス部の特徴です。逆に言うと、制約の中でいかに見せるかが、グラフィック記者としての力量の見せどころとも言えます。

ニュースを掘り下げ、さらに先の展開を読む力が必要

グラフィックス部は、東京、大阪合わせて約40名で、大阪のグラフィックス部長をはじめ、現在は計4名の多摩美出身者が在籍しています。「シンプルでわかりやすいグラフィックスで伝えたい」という、社内外からの要望が高まっていることもあり、年々美大系出身者数は増えつつあります。
通信社のグラフィック記者は、一つのニュースを掘り下げる力、速く正確にアウトプットを仕上げる力と、さらに先の展開を読む力が必要です。多摩美は、産学官共同研究の取り組みや、国内外で活躍中の教員陣が実践的な授業を行うなど、社会との接点を意識したカリキュラムが組まれているそうですが、活躍する卒業生たちに感じる「求められることへの対応力」は、その学びから生きているのでしょう。

世の中に関心を持ち敏感な人が求められる

私たちが求めるのは、画力以上に、世の中に関心を持ち敏感な人ですね。その感性があれば、ここはこう表現した方がより伝わる、こういうことも知らせたい、といった提案が生まれます。さらに、言葉を大事にし、読み解く力を持った人が良いですね。そのような資質があれば、通信社の仕事に「この学科は向いていない」ということはありません。

ビジュアル報道局
グラフィックス部
グラフィック記者 
山田 侑加さん
2017年|デザイン卒

情報を視覚的に
デザインする面白さと
それを動画でも伝えることのやりがい

加盟する新聞社に配信する記事のインフォグラフィックス全般を制作しています。その内容は、記事に添える地図やグラフ、図解、コラージュ、タイトルカットなど多岐に渡ります。また、自ら取材に行くこともあります。例えば『イラスト探検隊』という企画では、グラフィックスだけでなく、記事も自分で書きます。どんな媒体にも使いやすく、幅広い読者に伝わるように心掛けていますので、多くの媒体に掲載された時はやりがいを感じますね。

ここなら将来へのいろんな道があると思い、多摩美へ

私は理工系を目指していた浪人時代に、将来を見据えて進路を見直そうと考えた時に、多摩美を知りました。多摩美は他の大学と比べて、基礎課程でさまざまなことを学びその中から選択できること、多くの有名作家を輩出していること、また、卒業後の就職実績などが魅力的で、「ここならいろんな道がある」と気付いたのです。そして、プレゼンなどで常に人の目に触れることを意識して作っていく過程や、卒業制作で作ったインタビュー動画の取材経験が、そのまま今の仕事内容につながっています。例えば卒業制作を経験して学んだことは、取材で大切なのは、万全の準備と、相手が答えやすいように質問を明確にすることでした。そして、相手の回答からいかに更なる情報を引き出すかというコミュニケーション力の必要性を、身をもって知ることができました。

平面・映像ともに興味がある私に向く仕事

共同通信社を選んだのは、描くだけではなく、人と関わり、情報を視覚的にデザインすることに面白さを感じたからです。また、これからの通信社にはWeb動画のようにインタラクティブなデザインも必須で、平面以外に映像にも興味があった私は、ここなら貢献できるのではないかと思いました。学生時代、考え抜き、精度を高め、自ら解答を導き出していった経験のすべてが、今に生きています。

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※掲載者の所属などは記事公開時のものです。