昭和大学と研究連携「第2回ヘルスケア・デザインチームミーティング」開催レポート

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前例のない「医術と美術の共同研究」を進める取り組み

2021年4月2日、第2回「ヘルスケア・デザインチーム」ミーティングがオンラインで行われました。これは包括連携協定を結んでいる昭和大学と協力し、前例のない「医術と美術の共同研究」を進める取り組みで、昭和大学保健医療学部看護学科の大滝周准教授が発起人となって始まったものです。前回は昭和大学の参加教職員から病院の現場で必要と感じている課題や、あったらよいと感じているツールをプレゼンし、それに対して安次富隆教授(学長補佐)、大橋由三子教授らが意見を交わす形式で進められ、具体的な成果物をつくるといった目標などを定めました。

2回目となる今回は、前回参加した医師、薬剤師、看護師、臨床工学技士、管理栄養士の先生方に加え、歯科医師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士の先生方や職員らがメンバーに加わり、総勢18名で話し合われました。特に病院勤務の先生が多く加わったことで、より生の声が寄せられる場となりました。

会議では、発起人の大滝准教授より「3ヶ月といった短いスパンで小さい研究開発が末長く進めていけないか」といった提案が成されました。それを受けて安次富教授は「今後は多摩美の持つ専門性を生かし、課題を受け取って各学科に広げていくなどの展開ができるといい」と今後の道筋について示しました。大橋教授からは、「『子供が手術のときに泣いてしまう』といった具体的な課題が提示されたとき、それを泣き止ませる道具といった表面的なデザインを考える手法もあるが、『なぜ泣いたのか』といった本質を探り、様々な手法を考えていくことも大事だ」と発言。それを受けて、大滝准教授は「観察の着眼点が医療現場とは違うはずなので、作りながら考える場として捉えていきたい。研究の意義がここにある」と語りました。

その後、緩和ケアを担当する土屋医師からは「今後病院の中にデザインセンターが作られたとき、デザインというと何かモノを作るというイメージがあったが、モノではなく意味を考える場として機能していくといいと思う」と発言。大滝准教授が「デザインセンターという場も大事だが、先生方が『デザイン』という考えを知る場として機能するといいと思っている」と思いを語る場面もあり、安次富教授、大橋教授らもチームの在り方として同意するなど、参加メンバー全員で、取り組みの可能性やデザインに期待することについて幅広い意見交換を行いました。

最後に安次富教授から、「次回のミーティングまでに、なんでもいいので『考えてみたいことリスト』を作ってみてはどうか」という提案がなされ、今後は一人ひとりのアイデアを集約していくことになりました。

次回からいよいよ、具体的な成果に向けて動き出します。

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2021年4月22日 13:08